HOME   >  技師長挨拶・部門紹介   >  生理機能検査室

生理機能検査室

患者さんに直接接して検査を行う部門です

生理機能検査室は、循環器検査、呼吸機能検査、神経生理検査、超音波検査の4つの部門から構成されます。検査受付から結果報告まで、部門端末から行えるシステムを構築運用し、電子カルテから動画を含む全ての画像、波形、報告書などを閲覧することが出来ます。
 種認定資格をもつ多彩な臨床検査技師が在籍し、自己研鑽に努め、患者さんの診断や治療に役立つ情報を正確に提供できるよう、日々努力しております。生理機能検査に興味をもち、学習意欲のある方のご参加をお待ちしております。

*検査実績(2022年度):心電図検査 約20,000件、腹部・表在超音波 約15,000件、心臓・血管超音波 約11,000件、脳波検査(ビデオ脳波含む)約2,000

患者さんへのお願い

生理機能検査室では、患者さんのスムーズなご案内と、確実な検査を実施するため、以下のことをお願いしております。検査の内容に異なりますので、ここに記載がない検査の際には、担当医にご確認ください。
 なお、大学病院では、院内での撮影・録音を禁止しております。ご協力をお願いいたします。

☑️心電図検査をお受けになる患者さんへ
心臓の筋肉に流れる電流を体表面から記録する検査で、心疾患、不整脈などを調べます。検査に伴う苦痛はありません。
  • 胸部、手首、足首にシール電極を付けますので、着脱しやすい服装でお越しください。

☑️ホルター心電図検査をお受けになる患者さんへ

日常生活の中で24時間心電図を記録することにより、通常心電図検査だけではとらえられない異常を調べます。胸部にシール電極を付け、小型の軽量レコーダーを24時間身に着けて測定するため、以下の点にご注意ください。

  • シールやテープにより肌がかぶれやすい方はお申し出ください。
  • 激しい運動はお避け下さい。入浴については装着時に技師が説明いたします。
  • 装着翌日に装置を取り外しに来院していただきます。
  • 検査機器を紛失にはくれぐれもご注意ください。

☑️呼吸機能検査をお受けになる患者さんへ

肺活量や換気機能などを調べる検査であり、肺疾患の診断・治療法の選択・手術適応の決定などに役立ちます。

  • 大きく息を吸ったり、一気に息を吐きだしたりと負担のかかる検査ですが、正確な検査結果を得るためにご協力をお願いします。
  • 胸部や腹部が圧迫されるコルセットや締め付けの強い衣類の着用はお避け下さい。

☑️心臓・血管超音波検査をお受けになる患者さんへ
生体内に超音波をあて、臓器からの反射(エコー)を利用して画像化する検査です。検査自体は痛みもほとんどなく、検査で用いる超音波は人体に対する影響はありません。検査は画像が良く見えるように薄暗い部屋で検査します。

心臓超音波検査
  • 検査は上半身の衣類を脱ぐか、まくり上げてしっかり胸が見えるようにし検査を行います。
  • 食事の制限はありません。検査中に多少動いても構いません。

血管超音波検査

  • 下肢検査は、直接足にゼリーをつけて検査を行うため、下半身(スカート等)の衣類を脱いで行います。
  • 検査のため、ストッキング、ガードルやスパッツ等も脱いでいただきます。
  • 頸部血管検査では、首が見える衣類でおいでください。
  • 腹部血管検査で、予約が午前中の方は朝食を取らずに、午後の方は昼食を取らずにおいで下さい。
  • 腹部以外の血管検査では食事の制限はありません。


☑️腹部超音波検査をお受けになる患者さんへ

生体内に超音波をあて、臓器、組織からの反射(エコー)を利用して画像化する検査です。検査自体は痛みもほとんどなく、検査で用いる超音波は人体に対する影響はありません。

  • 午前中の検査の方は朝食を取らずに、午後の検査の方は昼食を取らずにおいで下さい。(他に主治医の指示がある場合には、医師の指示に従ってください)
  • 水やお茶などは飲んでもかまいませんが、牛乳やジュース、コーヒーなどは控えて下さい(但し検査直前は控えて下さい)。

生理機能検査室の各部署のご案内

心電図検査ユニット

危険な心電図を見逃さない

 心電図検査は不整脈や心筋梗塞、狭心症などの虚血性心疾患の診断に用いられています。一番馴染みのある「標準12誘導心電図」の他、24時間記録する「ホルター心電図」や運動による心電図変化を記録する「マスター2階段負荷心電図」、糖尿病の合併症である自律神経障害のスクリーニングに用いられる「RR間隔変動係数(CVRR)」なども測定しています。

超音波検査ユニット

 病変を見逃さず最適な画像を描出する

 超音波検査ユニットには、「心臓・血管部門」と「腹部・表在部門」から構成されます。超音波装置を11台設置しており、いずれも最新の超音波装置を備えております。

 臓超音波検査では、虚血性心疾患や弁膜症、心筋症の評価・診断を行い、医師が行う経食道心エコー検査の補助を行います。血管エコー検査では、頸部、上肢・下肢、腎動脈など多岐にわたる血管を観察し、拡張疾患や閉塞疾患の診断を行っています。

 部・表在超音波検査では、腹部、乳腺、甲状腺、体表、関節など幅広い領域の超音波検査を行い、専門医と連携し精度の高い画像診断の提供に努めています。さらに、フィブロスキャンという検査機器を用い、肝臓の硬さや脂肪量を数値化する肝硬度測定を行い、びまん性肝疾患の進行状態や治療効果の評価をサポートしています。

 状腺超音波検査では、悪性疑いや悪性を否定できない症例に対し、エコーガイド下で吸引細胞診検査も行っており、医師や看護師と連携し、チーム医療を実践しています。

 その他、研修医など若手医師にハンズオンセミナーを開催し、各超音波検査の技術指導を行うほか、臨床検査技師を目指す臨地実習生の指導にも取り組んでいます。

脳波・筋電図検査ユニット

電極の装着の正確さとスピードを問う                                                    

 波検査では 通常の脳波検査の他に、「てんかんセンター」と協力し、長時間ビデオ脳波検査(小児科1床、成人2床)のほか、てんかん手術に帯同し、術中脳波検査を行っています。月に一度行われている「てんかんカンファレンス」にも積極的に参加し、てんかん診療に関わる全ての職種(医師、薬剤師、看護師)と意見交換を行い、他職種と連携を深めています。また、睡眠時無呼吸症候群に対する終夜睡眠ポリグラフィー(PSG検査)にも対応しており、取り組む検査は多岐にわたります。

 電図検査では、神経伝導検査を中心に大脳誘発検査(ABRSEPVEP)や、脳神経内科医師と行う針筋電図検査などがあります。脳神経外科手術で行う術中モニタリングなど、緊迫する場面での検査を医師と連携しながら進めています。このように、医師との距離が近く、検査技術はもちろんのこと、疾病知識の向上にもつながります。

呼吸機能検査ユニット

患者さんと二人三脚で

 呼吸機能検査は主に、術前検査のほか、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺気腫といった呼吸器疾患の診断、さらには治療経過の評価にも重要な指標として用いられます。当院では、気管支喘息の診断や治療経過観察のために治療薬の吸入前後で検査し、その効果判定を行う「気道可逆試験」、「気道抵抗」の検査も実施しています。さらに、呼吸器疾患以外にも、重症筋無力症や筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった筋疾患の呼吸筋評価も行っており、幅広い診療科で検査が活用されています。

 この呼吸機能検査は正確な検査結果を報告するためには、患者さんとの協力が不可欠であり、技師の掛け声一つで得られる結果が決まってしまうといっても過言ではなく、臨床検査技師の技量が大きく問われる検査です。

お問い合わせ